地下空間の利用には、様々な社会的な特性もあります。容積率にゆとりがあっても建蔽率や斜線制限で使いきれない場合に地下空間は土地の有効活用というメリットがあります。地下空間利用が発想される最大の動機は、この土地の有効活用だと言っても過言ではないでしょう。また、外界と遮断されているという点では、騒音がないことやプライバシーが守れることがメリットになります。リスニングルームなどでは、外界からの騒音の遮断が理想的な音響環境を作る基礎になります。
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思い切り大きな音を出しても近所迷惑にならないという点では、音楽練習室や近頃流行りのカラオケルームに最適ですし、趣味の日曜大工を心おきなく楽しめる作業室・工作室も作れます。地下室を安全性という面から考えることもできます。咋今はあまり騒がれなくなりましたが、一時は核シェルターとしての地下室利用が注目されました。世界的な冷戦構造の終結後、核戦争の脅威は少なくなったとはいえ、わが国に比ベヨーロッパ等でははるかに核シェルターが普及しているのは事実です。しかし、わが国では、むしろ防災シェルターとして考えるほうが適切かもしれません。地下室は地震でもあまり揺れないので安心だという方も多いようです。確かに振動は少ないですし壊れる危険も少ないのですが、ただ、逃げ道の確保だけは十分な配慮が必要です。もっと大切なのは、大規模な震災や火災の後の生活の再建の足がかりとしての、備蓄や最小限の居住スペースです。ちょうど昔の土蔵が果たした役割を担うような、防災性能を備えた地下室がもっと普及してもよいと思います。