地代(賃料)値上げが正当なものか、またどういう性質のものかを考えてみたい。まず、地価の騰貴は賃料値上げにつながるものかということである。地主が賃貸借契約に先だって、土地に投資するか、預金または公社債等に投資するかを比較して、土地に投資することを選択したものであって、契約当時の元本に対しては、その利回り採算は他へ投資するよりも有利であるとしてえらんだものであったろう。地主が土地への投資を選択するについて、地価値上がりの差益を期待していたであろう。
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土地の値上がりについては不確定数値であったとしても、少なくとも元本に対する利回り採算は予期に反していなかったはずである。その後、とくに近ごろのように地価が高騰したために、今売ればいくらに売れるという価格を想定して、その価格に対して利回りが低くなったから、地代(または借賃)を値上げせよというのは的がはずれているように思える。今の値上がりは地価差益の問題になるものであって、元本の膨張を意味しない。もし地主が値上がりしたことを主張するならば、賃貸している土地を借地人か第3者に売れば地価値上がりの実感をつかむことができるのであって、売ればいくらになるという仮空の価格を、地代請求の基礎にするのはあたらないと思う。